台風直撃の男鹿半島でした。最終日の朝に何とか漕ぎました。
 
切り立った崖から滝が流れ落ちている海岸線を見ながら日本海を漕ぎました。
 
 
「台風直撃の男鹿ツアー」
2003年9月13日から15日
 
毎年恒例の矢木沢倶楽部東北方面遠征の第一弾は秋田・男鹿半島ツアーに決定されました。
なかなか一人では行くことのできない遠方であり、日本海の圧倒的な景観、潜ればサザエ・アワビの大漁、というカヤッカーには理想的なロケーションです。

12日深夜に東北道・蓮田PAに集合。この日のために仕事や家庭で必死の調整をしてきたメンバーが顔を揃えました。
メンバーは、以下の通りです。
千葉方面隊第一分隊 山本B、谷、島野、林 搭乗車は高出力高燃費車ランクル100
千葉方面第二分隊 曽我夫妻 大貫 夫婦円満デリカスターギア
小岩方面統合本部 総隊長島田、清水、畑尾 キャンピングカー持ち出し禁止キャラバン

蓮田PAを23時に出発、目指すは東北道から秋田道を経由した秋田昭和IC、移動距離は約700Km!!
とても遠いけど、みんなで行けば怖くない。
各車両にはノンアルコールドライバーを1名配置、飲んべえ達には助かります。
一路東北道を北上、那須高原SAでドライバー交代と夜食。どうしても遠距離の移動ではSA毎に何か食べたくなります。
特にカレーや天ぷらウドンとか。でも食べると胸焼けしますね。
次に国見SAを経由して長者ケ原SAに到着。時間は既に早朝4時です。各社ともドライパーチェンジで他のメンバーは熟睡。
そんな中、千葉方面第一分隊の島野さんは、自宅で茹でてきた、だだちゃ豆をつまみにビールを飲んでいます。オイオイ。

そろそろ夜明けです。北上ICから秋田道に入り、錦秋湖SAに到着。このSAはサービスエリア内に温泉やキャンプ場が配置されている快適なSAです。
でもまだ早朝のため、どれも営業していません。
ここで困った問題が発生しました。ガソリンを給油しようとSA内のスタンドに行くと、営業は8:00からという看板。
千葉方面隊第一分隊の高出力高燃費車は、途中で給油してこなかったので、ガソリンがギリの状態です。次のスタンドが営業しているSAまでは約60kmあります。
ここでスタンドが開くのを待機するか、そのまま走行してたどり着くかの決断を迫られました。
待っていても仕方ないので強行突破で錦秋湖SAを出発。
運転の林はアクセルが踏めません。前を行く軽トラさえ追い越せない状態で何とか60kmを走破し、西仙北SAに到着。スタンドで給油すると何と95リットル入りました。タンク容量は96リットルなので本当にギリギリの状態でした。
東北方面ではタンクが1/3になったら即給油すること、という総隊長のお達しを守らなかった罰でした。

このSAで朝食を食べる予定でしたが、レストランはまだ開店したばかりで厨房は空の状態です。
仕方ないので、秋田昭和ICまで走行し、コンビニかファミレスを探しました。
国道101号線沿いにガストを発見、何と開店は10時からでした。
男鹿市内に入ってもコンビニが見あたらず、お腹を空かせた総隊長の島田さんから、とにかく男鹿半島に突入、各個前進せよとの令が達せられました。
男鹿半島北側の快適ななまはげロードから一路入道崎を目指します。
男鹿半島先端の入道崎に10時着。お土産店が立ち並びます。
ペコペコのお腹を空かせたメンバー達は朝食を求めてそのうちの一軒へ。お店ではご飯が炊けていないとのことで、みんな麺類で我慢。
この後、入道崎の北緯40度線を見学。島野さんと山本Bさんは地元のおばちゃん達に海産物のお土産を強制され、二つも購入。おばちゃん好みのお二人でした。

ここで清水さんの秋田の友人、塚田さんと合流。今回のツアーガイトをお願いしました。午後から漕ぐつもりでしたが、台風接近の影響で風が強いです。
風裏を探して入道崎近くの小さな漁港に移動。ここから出艇して入道崎を目指します。
漁港から一歩出るとかなりの波です。防波堤内から出る所はグチャグチャ波が押し寄せています。
島田さんを先頭に、大貫さん、谷さん、山本Bさん、林と続きます。
この状態では入道崎は難しいとの判断で、右側の磯場に移動。ふと振り返ると後のメンバー達が付いてきません。
総隊長の指示で林が漁港に戻ると、曽我夫妻、島野さん、畑尾さん達は漁港で待機状態。ガイドの塚田さんも出られないとのこと。
いつの間にか戻った総隊長の鶴の一声で、みんな渋々防波堤から出ていきました。
何とか無事に磯場に到着。各自素潜りでサザエなどを採りました。
今年の男鹿は天候不良でサザエが小さいとのこと。
でもサザエをいくつか取り、その場で食べました。
谷さんは先日の多田良クラゲ襲撃事件以来、極度のクラゲトラウマ状態のようで緊張して海中を眺めていました。
お腹も空いてきたので漁港に戻り撤収。
その後、温泉に行き疲れた体を湯船に沈めました。気持ちよかったなぁ。
風呂上がりは温泉内のレストランでビールと昼食。こんなときノンアルコールドライバーは強い見方ですね。

15時、今回の男鹿ツアーの宿泊先の本山門前の親栄館へ。美人の若女将と磯料理が自慢の宿です。
各自部屋でくつろぎ、移動の疲れを癒し、いよいよ期待の夕食です。
この時点で台風14号は日本海を北上、佐渡あたりを移動中でした。外は大風で防波堤を越えるような波が上がってきました。
大風の音を聞きながら、本日の乾杯。お膳にはこれでもかという位の数々の料理が並びます。
ビールから冷酒、太平山という日本酒を頼み、飲んでいる間が無いくらい料理が運ばれてきます。
宿のサービスで鯛の刺身の舟盛りが登場。旨かったです。
飲まない谷さんや大貫さん、畑尾さんは黙々と料理を平らげていきます。
本日は東京からの長距離移動でくたびれたようで、なかなかお酒も進みません。
早々に切り上げ、部屋で恒例の矢木沢倶楽部お灸大会の開催です。
秋田の塚田さんもお灸気持ちよかったようで、これからは秋田のカヤッカーの間でも普及することでしょう。そのままゴロゴロしていたら、寝てしまいました。
夜半に起きた曽我さんの話によると、宿の前の駐車場に消防団や救急車が集まったいたとのこと。
翌朝聞いたところ、漁船を見に行った地元の漁師のお爺さんが高波にさらわれて、翌日海岸で発見されたそうです。昨夜はスゴイ風と大波だったのです。

14日二日目の朝は、台風は秋田沖を通過したものの、海上は強風波浪警報が出ています。これじゃあ今日は漕げないなぁ、と思いつつ朝食を食べつつ本日の予定を協議しました。
結果、まずは男鹿市内に出てコンビニで昼食の食べ物、飲み物を購入、その後漕げそうな風裏を探すことになりました。
男鹿市内のコンビニも7時からしか開店していないとのこと。24時間営業が当たり前と思っていた自分達の意識を変えることになりました。
男鹿市内は人通りも無く、閑散としていました。コンビニからようやく開店したスーパーに移動、総隊長の島田さんは焼き肉を大量に購入、本日はバーベキューか?!

買い出しから風裏を探してあちこちをうろうろ。男鹿半島内を縦横無尽に走り回りました。
結局は振り出しの戸賀湾に戻り、強風の海岸で炭を熾してバーベキュー開始。風が強く寒いです。何とか火を熾して焼き肉を焼きました。
昼食後に漕ぐつもりは失せていきます。しかし総隊長は許してくれません。
各自渋々カヤックを下ろし始めます。島野さん、清水さん、塚田さん達は漁港で釣りを始めました。
いつもは静かな戸賀湾ですが、この日は沖の防波堤を越えて波が入っています。風も強く厳しい状況でした。
そんななか、島田さん、山本Bさん、谷さん、林は沖の防波堤を目指しました。
後ろから見ていると、防波堤を越えてくる波で海面がまるで坂道状態です。防波堤に到着し、デカイくてパワーのある波に感動。
ここから一気にサーフィンで岸を目指します。大波に乗った谷さん早かったですよ。
いつもの検見川の浜では味わうことのできない波乗りでしたね。

夕方近くになり、寒くて撤収。待ちに待った展望露天風呂を目指して桜島荘に到着。何と立ち寄り湯は午後3時までとのこと。総隊長の島田さんが粘って交渉するものの撃沈。うーーん、残念。
仕方無いので宿に戻りました。
各自宿のお風呂で潮を落としていると、駐車場から煙りが上がっています。
なんと海風を避けるように、車の間で島田さんが焼き肉を焼いています。これじゃあ検見川の浜の駐車場と同じじゃん、と思いつつビールと焼き肉で駐車場パーティ!!
各自夕食まで思い思い過ごしました。夕日を見ながらゴジラ岩までお散歩。

二日目の夕食も大量の磯料理です。サザエや刺身、焼き魚、煮魚等々箸を付けられないほど料理が並びます。この日は漕げなかったストレスからか今一盛り上がりに欠けたかも。そんな中、総隊長は絶対に男鹿半島のハイライトコースをみんなに見せたい、という執念とも言える計画を練っていました。
翌日は朝食後に宿の下から出艇して洞窟を目指すことになりました。台風一過の晴天も期待できそうです。
夕食後に部屋に帰り布団でゴロゴロしていたら、そのまま寝てしまいました。この日はお灸パーティやったのか不明です。

15日三日目の朝。天気は快晴、でも沖合はギサギサの波模様です。素早く朝食を済ませ、8時に駐車場にある、なまはげ像の前で記念撮影。男鹿で漕いだという証明です。
漁港に移動してみると、昨日の台風による大波で漁船がひっくり返ったり、駐車場のコンクリートがはがれたり、有るはずのトイレが無くなっていたりと、凄まじい大波だったようです。復旧のための車両が出入りしています。
何とか漁港の隅にカヤックを下ろさせてもらい、出艇。一路洞窟を目指します。
防波堤を出ると北西の風とけっこうな波が立っていました。
総隊長の解説を聞きながら漕ぎ進めます。断崖から落ちる大滝や男性的な海岸線を満喫しながらのカヤッキングは最高のシュチエーションです。
でも30分ほど漕ぎ進んでいくと、もろに北西の風に対向することになり、風速8mを越えてきたあたりからなかなか進まなくなりました。
このままではみんなで洞窟探検は難しいと判断した総隊長は撤退を決意。漁港を挟んで反対側の風裏を目指しました。
途中で大きな魚の大群にあったり、またまたサーフィンできたりと楽しかったのですが残念。

ゴシラ岩に行く途中の岬は急に海底が浅くなっているようで、潮がボイルしています。さらに潮流が当たる岬のため、けっこうな楽しいグチャグチャ波でした。
ふと振り返ると、塚田さんが沈しています。レスキューに駆けつけると、清水さんと畑尾さんの連携プレーで再乗艇している途中でした。何とか無事に再乗艇を完了。
なかなか見せてくれるガイドさんです。
漁港に戻り撤収。塚田さんによると、こんな風の日は絶対漕がないとのこと。
一度宿に戻り、お風呂で潮を落とし、帰京の準備。この日は休日とあってツーリングのバイクや他県ナンバーの車が多く止まっていました。そんな駐車場の一角に、気になっていたおばちゃんのお店が開店していました。
清水さんによると、「謎のばばへらアイス」とのこと。その正体はシャーベットでした。
みんなで購入してみました。美味しかった?

12時宿の美人若女将に挨拶し、後ろ髪を引かれつつ男鹿を後にしました。総隊長は台風で男鹿のハイライト部分をみんなで漕ぐことが出来ず残念がっていました。次回のリベンジ計画を考えているとか。
帰りは順調に、秋田道から北上IC経由で東北道に。途中ドライバー交代しながら渋滞の出始めた東北道を離れ、常磐道経由で東京方面へ向かいました。友部SAで夕食、千葉方面隊は柏ICへ。
それぞれのメンバーを自宅に送り届け、千葉第一分隊は0時に解散。

今回の男鹿ツアーは地元のパドラーガイド塚田さんの案内であちこち漕ぎ回る予定でしたが、台風14号の直撃を受け、あまり漕ぐことができませんでした。
でも潜ってサザエを採ったり、検見川の浜では味わうことのできないパワーのある大波にチャレンジしたり、大量の磯料理や温泉を楽しんだりと、とても楽しく大満足のツアーでした。
いつもながらの総隊長・島田さん(島田トラベルビューロー STB)のパワフルな案内に感謝です。
地元のカヤッカー塚田さん、ありがとうございました。秋田方面でもお灸を普及してくださいね。
また機会があったらチャレンジしたい男鹿半島です。


林@矢木沢倶楽部電脳班長(ヤギサワ)

 
 
Last update 04/01/26
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