出艇場所の下前漁港近くのスロープには全国から沢山のカヤッカーが集まり、海峡横断の準備。
 
手作りイベントならではの横断幕
 
新鮮な魚介類のバーベキューで大歓迎。地元ボランティアの皆さんに感謝。
 
いよいよ下前漁港を出艇、一路北海道・吉岡漁港を目指します
 
先導船の後に付いていきます。けっこうスローペースでした。
 
50分漕いで10分の休憩インターバルです。暑くなかったので体調はばっちりでした。
 
北海道が見えているのに近づかないルームランナー状態です。
 
ようやく北海道・吉岡漁港に到着。みんな頑張りました。
 
翌日は自分達が漕いだ津軽海峡を見に龍飛岬へ。次回の再会を約束して帰りました。
 
自分達が渡った津軽海峡を見下ろす龍飛岬にて記念撮影
 
 

「第7回 2004年津軽海峡横断カヌートライアル」
リベンジの思いを胸に2年越しの海峡横断

2004年8月6日(金)〜8日(日)
 
20世紀のビックプロジェクトである青函トンネルが開通して16年になります。この快挙をたたえ、第1回津軽海峡横断カヌートライアルが1988年8月に実施されました。隔年で開催されている津軽海峡横断カヌートライアルは今年で第7回を迎え、全国から沢山のカヤッカーが海峡横断を目指して集まります。

■全艇洋上撤収のリベンジ
  前回の第6回では、松前まで後10kmというところで潮目と東風に阻まれ、全艇洋上撤収という悔しい思いをしました。今年の参加者は46名、8月6日集合場所の小泊村すくすく下前館には知った顔が沢山集まりました。みんな前回の洋上撤収のリベンジで今度こそは北海道まで渡りきるぞ、というカヤッカーばかりのようです。遠く福岡からの参加者もいます。
  参加者中ファルトボートが5艇、2人艇を含めたシーカヤックリジット艇38艇が集いました。受付を済ませて出艇場所となる下前漁港近くのスロープに移動、参加者達が各自準備の真っ最中です。船検もきっちりと行われました。前回までは小泊漁港からの出艇でしたが、今回は潮の具合から下前漁港に変更になったようです。
  すくすく小泊館に移動してミーティング、伴走船の船長さん達の紹介などがあり、その後前夜祭に突入です。確か前回は飲み過ぎて海峡にコマセをまいたカヤッカーもいたとか。
バーベキューは新鮮な魚介類が盛りだくさん、ボランティアの地元スタッフの皆さんに感謝しつつ、盛大に食べました。でも翌日は午前3時起床、早々に宿に引き上げて寝ることになりました。

■いざ津軽海峡に向けて出艇
  前回は雨模様の中の出艇でしたが、今年はなんとか天気は持ちそうです。各自宿を出発して出艇場所の下前漁港へと向かいます。10時間あまりの長丁場です。参加者は水分補給やスタミナ維持に努めます。
  5時予定通り下前漁港を出艇。10隻の伴走船が港外で待っています。いよいよ北海道・吉岡漁港に向けて漕ぎ出しました。今回はファルトボートのペースを見るために、初めの2本(1本は50分漕いで10分休憩のインターバル)はファルトボートを追い越し禁止です。
空は曇り空、でもこのくらいの方が体力的に有利です。漕ぎ出して2時間、振り返ると右手に津軽半島の先端竜飛岬が見えます。コースは直接北海道・吉岡漁港を目指すのではなく、とんでもなく北西に向けて進みます。その後北東に向きを変えて潮に乗りながらフェリーグライドで吉岡漁港を目指します。
  津軽海峡の名物である潮目が近づいてきました。伴走船からは良く見えるようですがカヤックだと目線が低く、潮目の直前で海面がザワザワと騒ぎながら流れていきます。潮目に差しかかると海水が冷たくなり、海の色も深い藍色に変わりました。太陽が顔を出したので漕ぎながら水中を除くと、偏向グラスに映ったのは灰色の大きな魚体、鮫です。
ここでは会いたくないな。

■憧れの北海道・吉岡漁港
  潮目をいくつか越えてバシャバシャと前後左右からの嫌な波をかわしながら頑張って漕ぎます。前回は先頭と最後尾が3km近くも離れてしまい、後ろの方で撤収していても先頭グループは漕いでいました。今回はうまくまとまって集団を作れたようです。でも後方のカヤッカーは休憩無しになってしまいます。何艇かは最後尾の伴走船に引き上げられました。でも元気が戻れば艇を下ろしてもらい漕ぐことも可能です。
  潮を横切りながらもようやく北海道の地が見え始めた頃、強い流れと正面からの風とでルームランナー状態になりました。見えているのに漕げども近づかない。ここは頑張りどころです。休憩を取るとあっという間に流されていきます。何とかこの場を切り抜けて吉岡漁港がはっきりと見えるようになりました。道路を走るトラックが見えた時は嬉しかったです。もう少しで憧れの地、北海道です。
  午後1時先頭グループの中で目的地の吉岡漁港にゴール。港に入ってくるカヤッカー達の顔がみんな笑顔なのが素敵でした。本当は足腰立たないくらい疲労しているのに、自分のカヤックで北海道まで渡りきった達成感でいっぱいです。今回は予想よりも早く到着できたようです。思いっきり北西にコースを取り、うまく潮目をかわせたのが良かったようです。最後のカヤックの入港は全員で拍手で迎えました。
  吉岡漁港からは伴走船にカヤックを積んで小泊漁港に帰ります。8時間かかって渡った津軽海峡をあっという間に漁船で戻っていきました。小泊漁港では完漕記念のパーティが開催され、みんな心からの満足顔です。
  翌日、次回の第8回での再会を約束して各自地元に帰っていきました。前回の全艇洋上撤収から早2年、念願の北海道に渡ることができ何よりでした。津軽海峡横断カヌートライアル実行委員の皆さん、地元ボランティアの皆さん、船長さん達、本当にありがとうございました。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。

矢木沢倶楽部:林 一彦
 
 
Last update 04/08/25
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