尺取り旅の再スタート地点は九十九里浜の旭簡保の宿前の浜です。
 
久しぶりの尺取り旅に緊張気味の島田さんと海宝さん。準備は万全です。
 
いよいよ難所の犬吠埼越えにチャレンジです。サーファーをかき分けて出艇していきます。
 
目の前には寄せ波が立ちはだかります。一気に越えていきました。
 
一路バウを犬吠埼に向けて進んで行きました。
 
 
「銚子越え尺取レポート」旭〜利根川河口編
2005年9月11日
 
前夜、1年振りの尺取を祝って出艇場所に近い片貝にある神谷別荘「矢木沢海の家」にてオーナーの神谷さんを始め、北さんに林さん、波乗り帰りの大竹さんに壮行会を執り行なっていただく。相棒の海宝さんは会社の富士山旅行の帰りに立ち寄りみんなが出来上がった11時に到着。(結果はただの飲み会、全員寝坊!)
バタバタと出艇時間を過ぎた6:10出発。
山本さん、貫さんが待つ出艇場所の簡保の宿「あさひ」裏手の海岸、足川浜へと急ぐ。陽も上がる6:50足川浜到着。
先ほどまで突堤の先が霞むほど霧が濃く出られない状況だったと。待機班の弁。サポート隊が艇を降ろす間にこちらは準備運動。

7:23。タイミングを計りサーファーを横目で見ながら1mほどのサーフゾーンを越えて沖に出る。
天気は晴れ。ハケで(禿げではない?!)薄く書いたような雲が日差しを和らげている。 波は低く風も無く絶好の銚子超え日和。
1キロほど沖を漕いでいると九十九里浜のお供のスナメリが顔を覗かせる。愛嬌者に1年振りの再会を感謝しながら一路東を目指す。
昨年2月にケガとその後遺症で四ヶ月間海に出られない状態と艇をカケロマ用にと近畿方面に二ヶ月間里子に出していたため今回の尺取は丸一年も延び延びとなってしまった。一年振りに相棒と漕ぐが長年連れ添った仲なので違和感はなし。気持ち良いね!と何度も何度も繰り返す相棒であった!同感!
これから先は電気屋の店先のように扇風機が沢山並んでいる?!カブトムシの角のような形をした銚子は三方を海に囲まれ温暖で1年中風が吹きつけ都心より3、4度以上も涼しくキャベツの産地。高台には風力発電の風車が立ち並び、風が強く吹かないことを祈るばかりです。

8:20。飯岡港沖通過。港の高台にある刑部岬展望台で待機の北さん、山本さん、貫さんに通過報告。次の着艇場所の打ち合わせ。
東洋のドーバーと呼ばれる「屏風ヶ浦」切り立つ断崖に木立は見えず緑は草原だけ。切り立つ崖は地層がはっきりと見え地層マニアなら寄り付きたいところだが、白波が立つゴロタの浜では1キロ沖からの見物で充分である。
ドーバーを半分ほど過ぎると右後方からのウネリが右となり岬の反転流の影響を感じる。
そして荒れだすとこの辺から長崎鼻にかけてが事故多発地点と聞いている。また、正面に見える愛宕山の黄色い円形の建物「地球が丸く見える展望台」ベタなネーミングだが・・・。ここが良い目印となる。

9:24。サポート隊の待つ「銚子マリーナ横の海水浴場」へ。
近年出来たばかりの立派なマリーナ横の人工渚。防波堤奥の侵食具合を見ればこの砂浜も砂金のような税金投入で維持する覚悟か?!
20分ほどの休憩、打ち合わせを済ませて再出発。

9:45。マリーナ横の海水浴場出発。
マリーナの堤防を迂回して、南に進路を取り外川港。外川はレトロな銚子電鉄の終点駅。堤防を抜けて岩礁地帯の長崎鼻へと向かう。潜る人も多く今は岩牡蠣が旬。
長崎鼻は幾重にも白波を立て行く手を阻んでいる。そこで安全策をとり大きく迂回して黒潮に乗るつもりで漕ぐ(ここから黒潮に乗ったらハワイ沖?!)
海宝さんの高笑いも今回ばかりはトーンが半音低い?!
しかし、凪いでいる日でこんな感じで少しでも荒れだしたらそれは恐ろしいところです。 岩礁地帯を抜けるとホテル群と白い犬吠崎の灯台がはっきりと見えてくる。
灯台下で待つサポート隊に次の安全な着艇場所を携帯で連絡、犬吠埼を回りこみ君ヶ浜北側へと舵を取る。

10:50。君ヶ浜着。小休止。
11:02。再出発。サーフゾーンを突発して黒生の岩礁地帯を避けて銚子港を目指す。 さすがに巨大銚子港。たくさんの大型漁船を隠す沖の防波堤だけでも2.5キロと長い。 その堤防沿に北に漕ぐ。堤防と平行の追い波でかなり速い(ときたまテトラに当たって凄い波響がする)堤防の切れたところで左に入る。ここがついに利根川河口!
高い堤防に阻まれ風の影響を受けずいたところに広い河口は急に西の向い風となった。左手は大型漁船が停泊する岸壁、右手に小さな砂浜発見!
低い姿勢で力強く漕ぎ河口を横断して茨城県側の波崎の中洲へと急遽避難。中洲なので誰も寄り付けないきれいなリトル弓ヶ浜でした。

12:00。サポート隊に連絡して利根川上陸地点を教えていただく。指定されたのは銚子大橋くぐった千葉水産高校手前の造船所跡地。最後の力振り絞り中洲を漕ぎ出る。草レース界から身を引き、波乗りばかりしていたので躊躇なく波に突っ込む。そして毎回波を被るフロントシートの海宝さんであった!
向い風の利根川溯上は最後の力をドンドンと奪い取っていく。また、風車も良く回り市の中心のあるヤマサの醤油工場の匂いを送り込んでくる。腹も急激に減る。
左手の銚子市場前にはたくさんの料理屋が立ち並び今日も大勢の人で賑わっているに違いない。
風を避けるために風上の千葉県側に寄るが釣り人がいるし、ハエのようなジェットスキーが波を立てて一層漕ぎづらくなる。なんとか錆だらけの赤い銚子大橋をくぐり残りあとわずか!
着艇場所となる大きな建物の手前のスロープでタオルを大きく振る山本さん、カメラを構える大貫さん、ウンコ座りの北さんと出迎えは様々!

12:45。造船所跡のスロープに着岸。海宝さんとがっちり握手。そして最善の着艇場所を確保してくれるサポート隊に感謝です!
サポート隊あってこそ漕ぎに集中できるのです。
撤収後、みんなで黒生港脇の「一山いけす」で海を見ながら昼食。漕ぎ終えた海を見ると腹も心も満腹。
食後、今日漕いだ全てのルートが見える愛宕山の「地球が丸く見える展望台」でコースの再確認。グルッと330度漕いだ感じ!風も変わるはずです!

7:20  スタート 簡保の宿「あさひ」裏手の足川浜 
        ↓ 8キロ
8:20  飯岡港沖
        ↓ 10キロ
9:20  銚子マリーナ隣の海水浴場 (休憩)
        ↓ 8キロ
10:50 君ヶ浜 (小休止)
        ↓ 6キロ
11:50 利根川河口波崎中洲(緊急避難)
        ↓ 3キロ
12:45 ゴール 銚子水産高校隣
合計走漕距離 約35キロでした。

次回は、ここ(銚子水産高校隣の空き地より)B&Bモミジ饅頭!
違います小見川のB&G艇庫まで。約20キロ。
小見川といえば松戸市長杯での永遠のライバル小見川中学校の地です。

文.島田 真
 
 
Last update 05/10/25
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