「ドラエモン大貫さんの北海道単独ツーリング紀行」
2008/8/20
 

一日目:8/20(水) 曇り
いよいよ出発日、フェリー埠頭の大洗まで100km。途中、色々と買い物をしながら向かう。フェリーターミナルでは積んでいるカヌーの状況を確認された。今回もって行くのはシーカヤックのスカヤック16、全長は470cmほど。車と合わせても全長5m以内なのでOKだった。
往路の客室はエコノミー。昔で言う処の二等客室だが、最近は狭いながらも一人ずつの場所が決められていて、それぞれにマットレス、シーツ、毛布、枕が割り当ててある。船旅の最中はやることが無くて退屈。結局19時間の船旅の内、食事と風呂以外の15時間位は寝るかゴロゴロしていた。

二日目:8/21(木) 曇りのち晴れ、時々小雨
苫小牧には定刻どおり13:30に到着。北海道はやや涼しすぎる。スタンドで給油後、市内のイオンの店で食料を調達。今日の宿泊地の「沙流川オートキャンプ場」に向かう。北海道の道を走るのはかれこれ20年以上ぶりだが、相変わらず走りやすく車はスピードを出している。沙流川のキャンプ場には17:00過ぎに到着する。安価でテントサイトは芝生で広々していて気持ちよかった。

三日目:8/22(金) 晴れ
国道274号線を十勝に向かって進む。十勝峠の山道を走っているのに相変わらずスピードの出る道が続いて、バンバン追い抜かれる。こちらも70km以上は出しているのに。
十勝ヶ丘公園や展望台で写真を取った後、釧路に向かい、市街には入らずそのまま釧路川の偵察に入る。「細岡」、弟子屈町の「摩周駅」、「美留和駅」の様子を見た後、屈斜路湖の和琴半島に16:45到着。「和琴半島湖畔キャンプ場」のバンガローに泊まり、明日からの川旅の準備をする。ちなみに今日も少し寒い。

四日目:8/23(土) 曇り
朝食後、散策と偵察を兼ねて空荷のままカヌーを漕ぎ出す。さすが温泉の湧き上る湖だけあって水温が温かい。釧路川の入口の「眺湖橋」の場所を確認後、無料温泉の「コタンの湯」に入る。キャンプ場に戻り、カヌーに荷物を詰め込み、9:00に和琴半島湖畔キャンプ場を出発。一時間ほどかかって眺湖橋に到着。いよいよ釧路川に入る。川の流れは結構速く、人の早足程度。橋から100mも進むと車の音も人工物も何も無い原生林の源流部だ。と大自然に浸ってばかりいられない。川中には倒木などの障害物が次々と現れるのでしっかりコースを取らないと大変なことになる。しばらくして気が付いたが、どの障害物も1ヶ所はカヌーが通れるルートが開いている。この川は誰かがカヌーのツーリング用に整備しているらしい。その誰かに感謝しつつ川を下る。弟子屈町の護岸にある上り口から上陸。食料と寒さ対策のカイロを購入するが、大分時間がかかってしまった。弟子屈の町を出るといきなり大きな瀬が次々と現れるが、その後はしばらく平穏な流れが続く。岸にはキャンプに適した場所がいくつもある。しかし今日の目標は磯分内の「瀬文平橋」。先を急ぐ。そして川は趣を変え、瀬の連続したスリリングな流れになる。大抵は1〜2級の瀬だが難所も有り気を使う。
その難所の一つで失敗した。落ち込みの途中の岩にカヌーが横向いて引っ掛かり動かなくなった。流されそうになりながら10分ほど色々と試して、ようやく脱出に成功。船体に大きなダメージはないが前後の隔壁が破損し、中は水びだしだった。もう贅沢は言っていられない。必死にキャンプ地を探し、ようやく適地を見つけカヌーを着ける。荷物を全部岸に上げ、寝袋やシュラフシーツを焚火で乾かす。食料も濡れたがかまわず食べる。ようやく寝袋を使えるほどに乾かしてテントに入ったのは23:00頃だった。

五日目:8/24(日) くもり一時雨
携帯電話のナビでここが南弟子屈の近辺と解った。7:00に出発、2時間程でようやく瀬文平橋に到着する。この辺りからまた川は穏やかになり、流木や倒木が目立ってくる。岸辺に馬や牛がいて鳥の姿も多くなった。「五十石橋」を過ぎると岸は人工物が無くなり濃い緑の壁になる。長い直線部分を過ぎると川は蛇行し始め湿原らしくなる。雨がポツリ、ポツリときて以後も振ったりやんだりした。カナディアンカヌーで川下りしている初老の夫婦とガイドさんらしい人達に出会う。ガイドさんと話しをしたところ塘路湖までは水路を遡って行けると聞いたので、時間も押していたのでそちらを最終上陸地点にする。塘路湖のキャンプ場に上陸してテントを張る。湖畔には「入川用紙」と「釧路川保全と利用のカヌーガイドライン」と言うパンフレットの入ったボックスがあった。ここではカヌーイストの安全にも気を配っている様だ。服を着替えて列車に乗る。塘路駅から摩周駅へ。そこからタクシーで和琴半島の駐車場の車を回収に行く。

六日目:8/25(月) くもり時々小雨
今日は移動日。納沙布岬を見た後、知床半島の羅臼、ウトロへと向かう。撤収中にカナディアンカヌーを積んだ車が何台か来て湖の方へ降ろしている。ここから川下りするらしい。厚岸町の「大黒島」ではアザラシがいると聞いたのでどこかで島が見えないか探したが、辿り着いたのは大分過ぎた「涙岬」の展望台だった。景色はとてもよかったが大黒島は見えない。引き返すほど時間も無いので先に進む。途中、道の駅で実家や知人のおみやげを購入、生鮮品は宅急便で送ることにする。さすがに観光地だけあって納沙布岬には結構人が居た。やたら記念碑やモニュメントが目立つ。羅臼に着いた時には18:00過ぎ、知床横断道路をウトロへ向かう頃にはもう日が暮れてしまった。峠道でカーブが続く。それに霧が出始め10m先しか見えない。さらに時々エゾシカが出て来るのであぶない。霧が晴れ、横断道路を抜けて、ウトロのキャンプ場「しれとこ自然村」に着いたのは19:00だった。

七日目:8/26(火) 晴れ うす曇り
このキャンプ場の海岸サイトから出艇しようと考えていたので、受付が開く6:00を待って話に行く。現在、海岸サイトは工事中で駐車はできないがカヌーを出すのはOK。ただし海浜使用料として¥500との事。そして出発する前に名前と行先と連絡先を紙に書き、戻ったら連絡を入れるように言われた。海岸へ降りてみると何艘かのシーカヤックとシットオンが置いてあった。7:00に出発する。今回は日帰りツーリングで目的地は「カムイワッカの滝」。天気は良好だが水は冷たい。海岸は殆ど断崖絶壁で上陸できるのはその間隙のわずかな場所しかない。その断崖には所々に大きな穴が開いていた。これらの洞窟は冬にここに押し寄せる流氷が開けているそうだ。知床半島なればこその光景。最初の景勝地「フレペの滝」には20分位で着いた。このペースなら楽勝と思っていたが、そうは甘くなかった小さな岬をパスして少ししたらいきなり風が強くなり漕いでいられなくなった。バランスを崩さない様に何とか踏ん張り、左右ちょっとずつ漕ぎながら進み、岸壁近くの無風地帯に辿り着く。これからルートはなるべく岸よりにして風を避けて、無理と思ったら即時引き返すと決める。時々、観光船が海岸近くまで寄ってスピーカーで解説してくれるので場所が解り助かった。そしていよいよカムイワッカの滝に近づいた。この滝は遠くからでも見えるので助かる。滝の近くに上陸して記念撮影をする。それから少し戻った浜でパンを食べる。後は無事に戻るだけ。しかし往路でもあった強風現象にまた出会う。海に開けた谷間に知床山脈からの風が吹き降ろしている様だ。なるべく避けて進むがそうしてばかりもいかない。タイミングを見計らって飛び出しチョビ漕ぎで進む。最後の岬を越えてやっとウトロに到着。上陸したのは13:00頃。全行程約6時間のツーリングとなった。

八日目:8/27(水) 晴れ後曇り、のち大雨
今日は北海道の最終日。苫小牧まで450kmの道のりを17:00までに行かなくてはならない。途中、網走の能取湖のサンゴ草群生地に寄る。サンゴ草は北海道にしかないのでぜひ見てみたかった。天候が悪化し雨が降り始めたので、時間に間に合う様に高速道路を使うようにカーナビの設定をし直す。苫小牧市街に入ったのは15:30頃だった。北海道初日に寄ったイオンで食料と食品のみやげを買う。17:30に乗船。停車したとき距離計の数字は1388.6km。北海道の旅はここで終了。復路の客室はカジュアルルーム。二段ベッドの大部屋だ。ここで19時間退屈な船旅をゴロゴロ過ごす。

九日目:8/28(木) 曇り、時々雨
14:00に大洗に到着。下船後、スタンドで給油する。我家に戻ると無事に建っていた。やっぱり北海道の旅は最高!反省点も多かったがまた行ってみたい。そんな旅でした。
以上 by 大貫弘明


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Last update 08/11/28
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