「三番瀬埋め立てSTOPカヌーデモ」お疲れさまでした。
沢山のカヤッカーが集まってくれました。本当にありがとうございます。
4/18 カヌーデモ当日です。
矢木沢倶楽部カヌーデモ実行委員会(そんなものあったのか?!)では、全国から集まるカヤッカーを受け入れるため、全員7時に検見川の浜に集合。
検見川の浜に面した道路は、日曜日は駐車禁止が解除されるとはいえ、シーカヤックを積んだ沢山のカヤッカーの車を駐車させるため、早朝より駐車スペースを確保した。
矢木沢倶楽部青年行動隊長である佐久間君は、得意のアーミースタイル(GIカットのヘアスタイルに上下迷彩服、腕章付き)で続々と到着するカヤッカーの車を見事に誘導している。
(初めて見る人にとっては右翼の集会か?!)
受付にはカヌーデモの立て役者・Mac島田が待機
いつも矢木沢倶楽部が早朝練習している検見川の浜の東屋にはすでに「三番瀬埋め立てSTOPカヌーデモ」受付が設置されている。浜では気の早いカヤッカー達が漕ぎ出しているのが見えた。
受付には、今回のカヌーデモの立役者である、大きなお世話係り・Mac島田が、続々と集まるカヤッカーに名簿への記名や注意書き、記念のステッカーなどを配布している。
矢木沢倶楽部のメンバーは全員スタッフということで、スタッフバッチをもらい、各自役割分担に従ってあちこち動き回っている。
うーーーーーん、いつものオチャラケが大好きな矢木沢倶楽部とは違い、緊張した雰囲気であった。
ふと受付の横を見ると、お徳用20本入りのトイレットペーパーが置いてあった。
「これなんですか?」とヤギサワ。
「えーーと、参加者がトイレにいった時、紙が無いと困るので持ってきました」とMac島田
「三番瀬まで持っていくの?」とヤギサワ
「二人艇だから大丈夫ですよ」とMac島田
うううっっっ、なんという細やかな心配りであろう!!
普通そこまで考えるであろうか?!
さすが矢木沢倶楽部の大きなお世話係りである。
矢木沢倶楽部のメンバーに配られたスタッフバッチ
そうこうするうちに集合時間の8時になった。
ざっと見渡しただけでもシーカヤックが30艇は浜に整然と並んでいる。
葉山からはいつもお世話になっている、まつもとさん、けむたまさんの葉山ブラザーズ、ネリシブひらつかさんも来てくれた。房州素人船団のみなさん、朝練隊からは竹馬さん、姉妹倶楽部のたきぎ工場からは寒河江工場長と飯田さん、先日の富浦湾カヌー大会でお世話になった海坊主のみなさん、久しぶりに登場のクボタさん、などなど沢山のカヤッカーが集合した。
全然知らないカヤッカーの人も沢山いた。今回のカヌーデモは矢木沢倶楽部ホームページで告知したり、niftyのFODSなどにも発言していたのだが、こんなに沢山の方が早朝より集まってくれるとは思わなかった。
本当に感謝感謝である。
検見川の浜で出艇準備するカヤッカー達
東屋で受け付けを進めていると、日本テレビのカメラマンと音声さんが歩いてきた。
挨拶もそこそこに彼らは浜に降りて、出艇準備を進めているカヤッカーの映像を撮り始めた。
実は今回のカヌーデモを実行するに当たっては、インターネットの他にも在京のテレビ局にFAXを送って、開催の趣旨を説明しておいた。まあ気軽な感じで、どこかの局が取材にでも来てくれたら儲けもの程度だったのだが、前日になって日本テレビから取材依頼の連絡があり、カメラマンを二人艇のバウシートに乗せて三番瀬まで同行することになった。
しかも当日の取材クルーとの打ち合わせによると、なんとヘリコプターの空撮まであるというのだ。
「おお、なんとスゴイことになった!!」とMac島田
「床屋行ってくれば良かった」とヤギサワ
「あんたはいつもテンガロンかぶってるからいいの!!」とみんなに言われた。(^-^;;;
しかし、良いことだけでは無かった。
前日までの打ち合わせで、一応海上保安庁にも話通したほうが良いのでは?という意見があり、第三管区に電話したところ次のような回答であった。
「えーーーと、4/18に三番瀬まで海上デモをします」とMac島田
「デモは事前の申請を行ってください。申請後に審査日時をお知らせします」と海保
このままじゃカヌーデモは出来なくなってしまう。
「じゃあ、ツーリングにします」と行って電話を切るMac島田であった。
そんな事情で出艇する検見川の浜では、派手なパフォーマンスは自粛することになり、三番瀬に到着したら用意した大段幕を出すこととなった。
でも海上保安庁も一度入った情報を放置する訳はなく、当日の検見川の浜の防波堤外側を海上保安庁の警備艇がゆっくりと行ったり来たりしている。
まあ、出たとこ勝負の矢木沢倶楽部であるから、文句付けられたら一升瓶差し入れて、「伴走よろしくお願いしまーーーーーす!!」とでも言ってしまおう。(^-^;;
いよいよ出艇の時が来た!!
エスコートする矢木沢倶楽部のメンバー達は各自特定小電力のトランシーバを持参し、先導をシージェットのヤギサワが担当、中盤グループには日本テレビのカメラマンを乗せたアリュートシー2を海宝さんが漕ぎ、最後部を島田・畑尾組のボイジャーを配置した構成でスタートすることになった。
参加者は今か今かと出艇の時を待っている。
ひらつかさんは、スカーリングしてクロシオのボトムに書いた「ウメタテハンタイ」の文字を見せるパフォーマンスを披露している。
島野さんや竹馬さんは、まるで戦国時代の馬印のような旗を背中にさして埋め立て反対のメッセージをアピール。
かのさんはゴミ袋を使った特製のゼッケンのメッセージだ。この他にもみんな思い思いに埋め立て反対をアピールしている。
検見川の浜で見事なスカーリングを披露した、ネリシブひらつかさん
埋め立て反対の馬印やのぼりを背にした竹馬さん(左)と島野さん(右)
9:15検見川の浜を無事全員が出艇した。
心配した海上保安庁の警備艇もいつのまにか姿を消した。あれだけ双眼鏡で監視していたのに不思議である。取材カメラマンの同行が良かったのかも知れない。
三番瀬までは約2時間の予定である。今回はいつも一緒に漕いでいるメンバーばかりではないので、コースや速度に気を付けなくてはならない。
今回のコースは検見川の浜の防波堤を出てから、幕張メッセを右手に見て一路船橋のスキードーム・ザウスを目指す。
マリンスタジアムあたりから船橋港に向かって左に転進、最後は船橋航路を横切って三番瀬に入る。
今回注意を必要とするのが、付近を航行する漁船や船橋港に入港する船舶だ。
大型の車運搬船なども船橋港に向かって早いスピードで迫ってくる。最後の船橋航路の横断が一番やっかいである。
先頭を行くヤギサワと最後尾の島田・畑尾艇の間で頻繁に交信しつつペースを整えながらカヌーデモは順調に進んでいった。わずかながら追い風も吹いていてメッセージを書いたセールを出しているカヤッカーもいる。
先頭集団ではクボタさんがひらつかさんにパドリングの講義をしながら漕いでいる。
カメラマンをバウシートに座らせて漕いでいる海宝さんはカメラマンの要求に応えるように先頭から後ろまで漕いでいる。
葉山組のまつもとさんと、けむたまさんには遅れがちになるカヤッカーをサポートしてもらった。
いままで検見川の浜でこんなにも大集団のカヤックを見たことがない。
ちょうど全行程の半分ほど来たところで、上空に取材のヘリコプターが現れた。これにはみんなビックリである。パドルを振り回して盛大にアピールした。ヘリコプターはカヌーデモの集団の周りを行ったり来たりして撮影しているようだ。
日本テレビのカメラマンをバウシートに乗せて漕ぐ海宝さん
パドリング講習しながらのクボタさん(左)とネリシブひらつかさん(右)
いよいよ船橋港の入り口が見えてきた。
船橋航路の赤と緑の標識ブイに近づかないようにして、一旦全艇を集合させることにした。
ここから一気に船橋航路を横切って三番瀬を目指す。
遠くに見えるタンカーや車運搬船に注意し、タイミングを計る。
これだけの集団で航路を横切るのは非常に緊張する。前後左右に気を配り、一斉に息を合わせてスタートする。
「いくぞーーーっ!!GO GO GO!!」
全艇が同時に船橋航路を越えていく。途中で息をつく暇も無い。
あっという間に反対側のブイを越え、全艇無事に防波堤の内側に回り込むことができた。
防波堤を回り込めば、そこはもう三番瀬である。
まだ干潮まで時間があったが、遠浅の向こうに船橋海浜公園が見える。沢山の人が潮干狩りに出ているようだ。
カメラマンを乗せた二人艇は海苔ひびを撮影するため離れていった。
検見川の浜からここまで漕いでくると、三番瀬に入った途端に海水が澄んでくる。途中まではウーロン茶色の海水だったのが、干潟の浄化作用でこんなにもきれいになるのだ。
全艇無事に三番瀬まで来ることができて、一安心である。ここまでくれば各自勝手に漕いでも問題は無い。
11時に全艇が三番瀬の浜に上陸完了!!
全員無事に三番瀬に上陸できた
上陸後、人文字ならぬカヌー文字で三番瀬埋め立て反対と書くことにした。
あちこちカヌーを移動して何とか文字になったようだが、上空のヘリコプターは気づいてくれただろうか。
そして早速用意した特製の大段幕を広げた。
「生物たちの楽園・三番瀬埋め立て反対!!」と書いたつもりが「園」の文字が抜けていた!?
「狭い部屋で作ったから分からなかった」とMac島田が頭を掻いた。
三番瀬を撮影していた写真家も集まってきた。なんと千葉テレビは先回りして漕ぎ寄ってくるカヌーを撮影していたそうだ。
全員揃ったところで、大段幕の前に集合してMac島田のかけ声に合わせてシュプレヒコールを叫ぶ。
「生物たちの楽園・三番瀬埋め立て反対ーーーっ!!」
「カヌーイストの休憩場所を潰すなーーーっ!!」
「国民の声を無視する千葉県の横暴を許すな!!ーーーっ」
などなど拳を突き上げながら全員で叫んだ。
カメラマンからのリクエストに応えて何度かやり直したような気もするが、まあ当初の目的は達成することができた。
この後、各自持参してきたビールで乾杯。昼食タイムとなった。
このころになると先ほどまで海水に覆われていた浜が遠くまで干潟になって広がっている。家族連れが楽しそうに潮干狩りを楽しんでいる。
沢山の鳥たちがアサリを探してついばんでいる。
本当に自然豊かな干潟である。
矢木沢倶楽部はお得意のスタイルでさっさと宴会の用意をしている。この日のためにくま手を用意してしっかりと潮干狩りしているメンバーもいる。房州素人船団の皆さんは途中で手に入れたムール貝を茹でている。ひとついただいたが塩味が利いて美味かった。
しかし12時を回る頃から風が上がってきた。三番瀬は周りに何もなくて吹きさらしであるから、だいぶ寒くなってきた。
みんな勝手に昼食タイムである
三番瀬からの出艇は13時を予定していたが、少し早めに帰ることにする。
取材のカメラマンとはここで別れることとなった。取材の模様は当日の夕方のニュースで放映予定とのこと。期待しよう!!
12:30三番瀬を撤収。
これがまた難儀であった。というのも来る時は浜まで漕いでこれたが、帰りはカヌーを浮かべることの出来る水深まで各自カヌーを引いていくはめになった。
特に巨大な二人艇などは大変である。みんなで協力しながら一艇一艇を運んでいった。
ようやく全艇を浮かべて航路の手前で集合する。
ここでも行き来する大型船舶との間隔を計りながら一気に横断した。
帰り道は向かい風と向かい潮のダブルパンチだ。
船橋港を越えたあたりで雨も降り出してきた。風波も出てきた。
みんな歯を食いしばって頑張る。遅れ気味になる艇も出始めたが、葉山組のまつもとさん、けむたまさん、房州素人船団の飯島さんたちがフォローしてくれた。
幕張メッセを過ぎる頃には、先頭と最後尾は大きく離れてしまった。
ヤギサワも前に行ったり後ろに行ったり来たりで少々くたびれてきた。ここはこのままで検見川の浜に向かうこととする。
検見川の浜の入り口となる防波堤で最後に通過する艇を確認した。
15:00ようやく全艇が出発した検見川の浜に無事上陸することができた。
葉山ブラザーズのまつもとさん(左)、けむたまさん(右)。最後尾を面倒見てもらいました。
富浦カヌー大会でお世話になった「海坊主」の榎本さん(左)。遠くから参加ありがとう房州素人船団の皆さん(右)
雨も本降りになっていたので、特に解散式など行わずに各自艇を洗ったりしながら流れ解散となった。
今回の「三番瀬埋め立てSTOPカヌーデモ」は、パソコン通信やインターネットを通して知り合ったカヤッカーが開催趣旨に賛同し自主的に参加してくれた。関東各地から総勢40艇あまりのカヤックが集まり、カヤッカーが心を一つにして埋め立て反対の意思表示をしたものである。
こうした活動は今回限りではなく、継続していくことが重要であると考えている。
小さな力ではあるものの、世間の耳目を少しでも三番瀬埋め立て計画に連なる一連の自然破壊の防止に向けることができれば幸いである。
ちなみに当日の模様は以下の番組で放映された。
三番瀬カヌーデモTV放映の結果。
|
4/18 千葉TV PM6時のニュース 6時10分
日本TV ニュースプラス1 6時20分
4/19 日本TV 今日の出来事 0時10分
日本TV ジパングあさ6
日本TV ズームイン朝 7時12分
|
また、日本テレビは今後も三番瀬の放送の中でカヌーデモの様子は使うとのこと。
次回はどういったスタイルで開催するかは未定であるが、ぜひ機会を見つけて実行する予定である。今回は都合で参加いただけなかった方々も、またの機会に一緒に三番瀬まで漕ぎましょう。
参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました!!
レポートは矢木沢倶楽部・電脳部長(最近昇格したらしい)ヤギサワでした。
|